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- ニキビができたけど、何を使えばいいかわからない。
- スキンケアを変えたほうがいいの?それとも薬?
- 市販薬ってどれがいいの?
ニキビって、本当につらいですよね。鏡を見るたびに気になって、触ってしまって、余計に悪化して……。
ドラッグストアで働いていると、「薬を使うべきか、洗顔や化粧水を変えるべきか」と迷いながらお店に来る方をよく見かけます。そんなときは気軽に声をかけてほしいんですが、この記事でも同じことをお伝えします。お財布にやさしい市販品で、ちゃんと対処できますよ。
この記事では、登録販売者として毎日ニキビの相談を受けてきた経験をもとに、本当に使えるものだけを紹介します。
ニキビに悩んでいるなら、男性も積極的に使ってほしいです。店頭でも男性のお客さんはよく買っていかれますよ。
結論:まずこの3つを揃えよう
【結論1】できてしまったニキビには医薬品が第一優先
ニキビの原因はアクネ菌
ニキビには大きく「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」の2種類がある。どちらも原因や進行の仕組みは共通しているが、適した薬が異なる場合がある。思春期ニキビ向けの薬については、このあとの「思春期ニキビには〜」のセクションで紹介する。
どちらのニキビも、進行の段階によって4種類に分けられる。
白ニキビ 毛穴に皮脂や古い角質が詰まった初期の状態。炎症はなく、痛みもない。
黒ニキビ 毛穴が開いて皮脂が空気に触れ、酸化して黒く見えている状態。炎症はまだ起きていない。
赤ニキビ 毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を起こして赤く腫れている状態。触れると痛みや熱を感じることが多い。
黄ニキビ 赤ニキビがさらに悪化し、膿が溜まった状態。中央に黄色や白色の膿が見え、強い痛みを伴う。ニキビ跡が残りやすい段階だ。膿をもったニキビには、抗生物質を配合した市販薬(このあと紹介するドルマイシン軟膏など)が選択肢になる。ただし、広い範囲に広がっている・痛みや腫れがひどい・何度も繰り返すといった場合は、市販薬で粘らず早めに皮膚科を受診してほしい。
ドラッグストアでニキビの相談に来てくれる方のほとんどが、この赤ニキビの段階だ。「早くなんとかしたい」という切実な悩みを持った方が多い。
赤ニキビの原因はアクネ菌だ。毛穴に皮脂が詰まるとアクネ菌が大量に繁殖し、身体が炎症反応を起こす。この炎症が赤み・腫れ・痛みを引き起こしている。
白・黒ニキビの段階なら、薬用洗顔や化粧水だけで改善できることが多い。しかし赤ニキビには洗顔や化粧水では対応しきれない。ここからは、赤ニキビに正面から対応できる商品を紹介していく。
つまり赤ニキビへの対処に必要なのは、アクネ菌を叩くこと(殺菌)と炎症を止めること(鎮炎)の2つだ。
「洗顔を変えたら治るかも」「保湿をしっかりすれば」──これはよくある間違いだ。洗顔料や化粧水にも殺菌成分や抗炎症成分が入っている製品はあるが、配合できる濃度に上限があり、すでに炎症を起こした赤ニキビに届く量ではない。また医薬品のニキビ薬にはイブプロフェンピコノールのような強い抗炎症成分が入っているが、化粧品にはこうした成分自体が配合できない。できてしまった赤ニキビには、医薬品を使うしかない。
アクネスメディカルクリームEXaを選べ
市販のニキビ薬の中で頭一つ抜けているのがこれだ。
パッケージには「大人ニキビ治療薬」と大きく書いてあるが、中学生から使っても問題ない。添付文書にも「小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用させること」と記載されており、年齢制限は設けられていない。10代のニキビにも使える薬だ。
有効成分は3種類。殺菌・鎮炎・修復の3アプローチが1本で完結する。
| 成分 | 働き |
|---|---|
| イソプロピルメチルフェノール(IPMP)1.0% | アクネ菌を殺菌する |
| イブプロフェンピコノール | ニキビの炎症をおさえる |
| アラントイン | ダメージを受けた皮膚の修復をうながす |
殺菌成分IPMPの濃度は1.0%で、競合品(ペアアクネクリームW:0.3%)の3倍以上だ。炎症が強い赤ニキビに、より素早く対処できる。
また、皮膚修復成分のアラントインが入っているのも見逃せないポイントだ。ニキビ治療薬でアラントインを配合している商品は多くない。殺菌・鎮炎・修復の3つが1本で揃うのは、市販薬の中では珍しい構成だ。
使い方
患部に直接塗布する。1日2〜3回を目安に使用する。使用量は少量(患部が覆われる程度)で十分だ。
洗顔後に直接塗るか、化粧水を使った後に塗るか迷う方もいるかもしれない。基本は洗顔 → 化粧水 → 薬の順がおすすめだ。化粧水で肌を整えてから、最後に薬を患部へ塗る。先に薬を塗ると、あとから使う化粧水で薬が広がったり流れたりしてしまうからだ。なお、このあとで紹介するペアアクネクリームWは「洗顔後」と明記されているので、そちらはしっかり守ってほしい。アクネスメディカルクリームEXaは使用タイミングの記載がないが、スキンケアの仕上げに塗ると覚えておけばいい。
それよりも大切なのは塗る回数だ。1日3回が理想だが、1日3回の塗布は難しいという方も多い。まずは朝と夜の2回をしっかり守るようにしてほしい。
どれくらいで効果が出るかと聞かれることも多い。早い方なら2〜3日で赤みが落ち着いてくることが多い。ただし薬だけに頼るより、洗顔と化粧水もニキビ肌に合ったものに変えると、より早く肌の状態が整いやすくなると思っている。このあと詳しく説明する。
思春期ニキビには「アクネス ニキビ治療薬」
同じアクネスシリーズに、思春期ニキビ向けの「アクネス ニキビ治療薬」がある。成分のアプローチがEXaとは違う。
- イオウ・レゾルシン:角質を軟化させ、毛穴の詰まりをほぐす
- グリチルレチン酸:炎症をおさえる
EXaが「できてしまった赤ニキビを叩く」のに対し、アクネス ニキビ治療薬は「毛穴の詰まりをほぐす」アプローチだ。中高生のニキビならこちらが向いていることが多い。
まず試してみたいならペアアクネクリームW
ニキビ薬をはじめて使う方や、とりあえず試してみたい方にはペアアクネクリームWも選択肢だ。炎症をおさえながら殺菌する2アプローチで対応でき、手に取りやすい価格帯なので気軽に始められる。長年ドラッグストアで売れ続けているロングセラー商品で、信頼性という点でも安心して手に取ってほしい。
ただし、しっかり治したいなら話は別だ。殺菌成分IPMPの濃度はアクネスメディカルクリームEXaの3分の1以下。炎症が強い赤ニキビには、やはりアクネスメディカルクリームEXaの方が頼りになる。
化膿しそうなニキビには「ドルマイシン軟膏」
ここまで紹介してきた薬とは少し毛色が違うが、赤ニキビが進行して化膿しそうなニキビには、抗生物質配合の「ドルマイシン軟膏」も選択肢の一つだ。
最大の特徴は、2種類の抗生物質(コリスチン硫酸塩・バシトラシン)を配合していること。抗生物質が1種類のものが多いなか、2種類を組み合わせて幅広い菌に対応できるのが、ほかの治療薬との大きな違いだ。膿をもち始めたような、進行したニキビにはこれが頼りになる。
ただし、ひとつ覚えておいてほしいのは、これはあくまで「化膿しそうなニキビ」の段階で使うものだということ。すでにパンパンに化膿している、痛みや腫れがひどい——そんな状態なら、市販薬で粘らず皮膚科を受診してほしい。抗生物質は自己判断でだらだら使い続けるものではないので、数日使っても改善しないときも、医者に相談するのが安全だ。
【結論2】洗顔をかえろ アクネス 薬用ふわふわな泡洗顔
なぜ洗顔がニキビに影響するのか
毛穴に皮脂や汚れが詰まると、アクネ菌が増殖しやすい環境ができる。これがニキビの原因になる。だから、毎日の洗顔で皮脂や汚れをきちんと落とすことが重要だ。
ただし、力任せに擦るのは逆効果。摩擦が炎症を悪化させるため、ニキビ肌の洗顔で絶対に避けるべきことは「擦ること」だ。
さらに、アクネ菌に効果が期待できる殺菌成分や、炎症をおさえる抗炎症成分を含んだ洗顔料を使えば、前述したニキビ薬の効果をより発揮しやすい環境を整えられる。
ただし、高価な商品を買えばいいというわけではない。洗顔料は最終的に洗い流すものだからだ。大切なのは、ニキビには薬で直接対処しつつ、薬の効果を助ける洗顔と、新しいニキビを発生させないための洗顔を組み合わせること。この考え方を押さえておこう。
洗顔料の選び方
ニキビ肌の洗顔料を選ぶポイントは2つ。「成分」と「タイプ」だ。
ポイント1:成分で選ぶ
アクネ菌の増殖を抑える殺菌成分と、炎症を抑える抗炎症成分が配合されているかどうかを確認しよう。チェックしたい成分は2種類だ。
- イソプロピルメチルフェノール(IPMP) ― 殺菌作用。アクネ菌の増殖を抑える
- グリチルリチン酸類 ― 抗炎症作用。赤みや炎症をやわらげる
この2つが入っている洗顔料を選べば、洗うたびにニキビ対策ができる。
ポイント2:泡タイプを選ぶ
洗顔料にはチューブタイプと泡タイプがある。面倒くさがりな男性へのおすすめは、断然「泡タイプ」だ。
実はチューブタイプの方が、きめ細かい泡を立てることはできる。ただしそれは、泡立てネットを使ってしっかり時間をかけて泡を作った場合の話だ。
この記事はメンズスキンケアを軸にしている。私自身も男性なのでわかるが、泡立てネットなんて毎日使うのは正直めんどくさい。だったら、そもそも泡が立った状態で出てくる商品を買えばいいじゃないか、という話だ。
ニキビ肌の洗顔で一番気をつけたいのは、肌をヘタに刺激しないこと。そのためには、洗顔の泡そのものが大事になる。自分で泡立てられないなら、初めから泡で出てくる洗顔を使えばいい。
メンズスキンケアの掟として、ニキビ肌の男性諸君は泡で出てくる洗顔がマストといえよう。
さらに個人的な感想として、男性用として売られているニキビケアの洗顔料は、あまりおすすめしていない。配合成分はいいのだが、ちょっとつっぱり感が気になったり、このあと触れる泡タイプがなかったりするのだ。
正しい洗顔のやり方
どんなにいい洗顔料を使っても、洗い方が間違っていれば効果は半減する。ニキビ肌の洗顔は、次の手順を守ろう。
- ぬるま湯で予洗いする ― 32℃前後のぬるま湯で顔をすすぎ、表面の汚れを落とす。熱すぎるお湯は皮脂を奪いすぎるのでNG
- 泡で包むように洗う ― ゴシゴシ擦らず、泡を肌の上で転がすイメージ。手と肌の間に常に泡をはさむ
- 皮脂の多いところから ― おでこ・鼻のTゾーンから洗い、頬や口まわりは最後にやさしく
- すすぎは丁寧に ― 泡が残るとそれが刺激になる。髪の生え際やフェイスラインまでしっかり流す
- タオルは押さえるだけ ― 清潔なタオルで、こすらず水分を吸い取るように押さえる
ポイントは、とにかく摩擦を減らすこと。「洗う」というより「泡をのせて流す」感覚でちょうどいい。
個人的な体験だが、ついついニキビのある部分が気になって、そこだけ余分に洗ってしまったり、擦り気味に洗ったりしがちだ。でも、そここそ要注意。泡をクッションにして、肌に直接触れないくらいの感覚でやさしく洗うことをおすすめする。
アクネス 薬用ふわふわな泡洗顔
ここまでの条件をすべて満たしつつおすすめできるのが、アクネス 薬用ふわふわな泡洗顔だ。
殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールと、抗炎症成分のグリチルリチン酸ジカリウムを配合。ニキビのもとになるアクネ菌を殺菌し、炎症を抑える成分がバッチリ入っている。
もちろん泡で出てくる泡タイプ(チューブタイプのラインナップもある)。泡立て不要で、そのまま肌にのせて、泡を転がすように洗い流すだけでいい。
さらに詰め替え用も販売されていて、どこのドラッグストアでも必ず売っているであろう定番商品だ。価格も手頃で、続けやすいのもうれしいポイントになる。
個人的な使用体験としては、使用感がさっぱりしていて男性にも使いやすい。ここが大事で、洗顔後のスッキリ感があるので男性にも非常に使い勝手がいい。香りもシトラス系で、特に気にならない程度だ。
そして何より、そんなに高くないからたっぷりの泡で洗えるのが大きい。
ところで、洗顔料の適量はどれくらいか、という問題もある。結論を言うと、男性のニキビケア用洗顔料なら、泡タイプでスリープッシュ以上が必要だと考えている。ワンプッシュやツープッシュでは正直足りない。泡の量が少ないと、肌との間でクッションにならないからだ。
その点この洗顔料は手頃な価格だから、ケチケチせずにスリープッシュ以上たっぷり使っても罪悪感はゼロ。泡を多く使うことが、肌のストレスを大きく減らしてくれるだろう。
他のおすすめ洗顔料
アクネス以外にも、ニキビ肌に使いやすい泡タイプの洗顔料がある。手に入りやすさや好みで選ぶといい。
成分はイソプロピルメチルフェノール(殺菌)とグリチルリチン酸2K(ジカリウム。抗炎症)が入っており、ほぼアクネスと同等の商品だ。
使用体験としては、アクネスよりも洗い上がりがしっとりめだった。泡もアクネスより細かいような気がする。あのカウブランドでおなじみの牛乳石鹸の商品で、アクネスと人気を二分するほどよく売れているので、安心して使えるだろう。
正直、アクネスとどちらをおすすめしようか迷ったほどだ。最終的にはスッキリ感でアクネスを第一候補にしたが、しっとりした洗い上がりが好みなら、スキンライフを選んでもまったく問題ない。
王道の花王ビオレシリーズから、泡に特に特化したいいものが出ている。イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸ジカリウムはもちろん配合だ。
特徴はなんといっても、あわあわの泡。ワンプッシュで出せる泡ならこれが手軽で一番だと思う。まさにモコモコ泡で包んで洗える商品で、肌負担も一番少ないと感じた。
モコモコ泡で洗いたい方、肌負担をできるだけ避けたい方には、これが一番の選択になりそうだ。
今回紹介した商品以外にも、いい商品はたくさんある。ただ、メンズスキンケアのニキビ対策として「泡洗顔であること」「薬用成分がしっかり配合されていること」を条件にすると、意外と選択肢は狭まってしまった。
それでも、まずはこの中から選んでもらえば大きな失敗は避けられると考えている。そこまで高価な洗顔は必要ない。薬・洗顔・化粧水とトータルのスキンケアで、肌を整えていってほしい。
【結論3】化粧水をかえろ オードムーゲ 薬用ふきとり化粧水
なぜ化粧水(ニキビケア用)が必要なのか
「薬を塗って、泡洗顔もした。それで十分じゃないの?」と思うかもしれない。だが、ニキビ肌のケアでもう一歩差がつくのが化粧水だ。
理由は2つある。
ひとつは、洗顔だけでは落としきれない汚れや古い角質が残るから。洗顔で大きな汚れは落ちるが、毛穴のまわりに残った余分な皮脂や角質は、放っておくとまたアクネ菌のエサになる。
もうひとつは、洗顔後の肌は乾きやすいから。洗ったあとの肌は皮脂も水分も奪われた状態になる。そのまま放置すると、肌は「乾いた」と勘違いして余分な皮脂を出そうとし、これがまた毛穴詰まりにつながる。だから洗顔後はきちんと肌を整えてあげる必要がある。
そしてここでも大事なのは成分だ。ただ保湿するだけの化粧水ではなく、殺菌成分や抗炎症成分を含んだ「ニキビケア用」の化粧水を選びたい。薬で炎症を叩き、洗顔で清潔にし、化粧水で肌を整える──この3点セットがそろって初めて、ニキビ肌のトータルケアが完成する。
実は、化粧水をうまく選べると、ニキビの予防ができ、薬に頼らなくても肌を良い状態に保てるようになる。スキンケアの中でも一番手軽で、コストも安く、それでいて改善が期待できるところだ。だからこそ、妥協なく選んでほしい。
ニキビケアの化粧水の選び方
ニキビケア用の化粧水を選ぶポイントも、洗顔料と同じく「成分」と「タイプ」の2つだ。
ポイント1:成分で選ぶ
洗顔料と同様、アクネ菌を抑える殺菌成分と、炎症を抑える抗炎症成分が入っているかを確認しよう。代表的なのは次の成分だ。
- イソプロピルメチルフェノール(IPMP) ― 殺菌作用。アクネ菌を抑える
- グリチルリチン酸ジカリウム ― 抗炎症作用。赤みや炎症をやわらげる
- アラントイン ― 肌あれをおさえ、修復をうながす
ただ保湿するだけの化粧水ではなく、これらの有効成分を含む「医薬部外品(薬用)」や「医薬品」を選ぶのがポイントになる。
ポイント2:続けやすいタイプを選ぶ
化粧水は毎日、しかも長く使うものだ。だからこそ、無理なく続けられるタイプを選んでほしい。
タイプは大きく分けて2つ。コットンで拭き取る「ふきとりタイプ」と、手やコットンでなじませる「通常タイプ」だ。ふきとりタイプは、洗顔で落としきれなかった余分な皮脂や古い角質までケアできるのが強み。一方、通常タイプは手軽にサッと使えるのが利点になる。
どちらを選んでも、有効成分(殺菌・抗炎症)が入っていればニキビケアとしてしっかり機能する。あとは使用感や価格など、自分が毎日続けやすいほうを選べばいい。
なお、ふきとりタイプを使う場合でも擦りすぎは禁物だ。コットンでゴシゴシこすると、それ自体が刺激になってしまう。たっぷり含ませて、肌の上をすべらせるように拭くのが正解になる。
正しい使い方
化粧水も、使い方ひとつで効果の出方が変わる。基本は次のとおりだ。
- 洗顔後すぐに使う ― 洗顔で肌が乾く前に使うのがベスト。タオルで水分を押さえたら、間を置かずに化粧水をつける
- コットンか手のひらでやさしく ― ふきとりタイプはコットンにたっぷり含ませて一方向に。通常タイプは手のひらで包むように押さえてなじませる
- 気になる部分は重ねづけ ― ニキビが気になるところは、もう一度やさしく重ねてあげると安心だ
- 朝晩2回が基本 ― 洗顔とセットで、朝と夜の2回を習慣にする
ここでも大事なのは、やはり擦らないこと。化粧水をなじませるときも「押さえる・すべらせる」を意識して、摩擦を最小限にしてほしい。
なお、薬と化粧水を併用する場合の順番は、洗顔 → 化粧水 → 薬が基本だ。化粧水で肌全体を整えてから、最後に薬を気になるニキビへピンポイントで塗る。先に薬を塗ってしまうと、そのあとの化粧水で薬が広がったり流れたりしてしまうので、薬は仕上げに塗るのが正解になる。
オードムーゲ 薬用ふきとり化粧水
まずおすすめする理由は2つ。有効成分がしっかり入っていること、そしてどこのドラッグストアにも置いてあって手に入れやすいことだ。有効成分はグリチルリチン酸ジカリウム(炎症をおさえる)とアラントイン(肌あれをおさえる)。単なる保湿ではなく、ニキビケアに特化した有効成分を含む医薬部外品だ。
ふきとりタイプの化粧水で、イメージとしては洗顔後に肌に残った菌をふきとって殺菌するような感じだと思っている。洗顔では落としきれなかった余分な皮脂や古い角質まで、ついでにケアできるのも強みだ。
実際に使った感想としては、とにかくかなりさっぱりする。逆に言うと保湿力はあまり期待できないほどのさっぱり感なので、乾燥が気になる人はこのあとに保湿用の化粧水を足すのがおすすめだ。とはいえ、もともと化粧水を使っていない人や、さっぱりした使い心地が好きな人なら、これ1本だけでも十分アリだと思う。
使い方は、本来はコットンに含ませて肌を一方向に拭くのが推奨されている。ただ正直なところ、男性でコットンを常備している人は少ないだろう。そういう場合は、もう手のひらにとってパシャパシャと付けてもらってもいい。かなり妥協した使い方だが、それでも有効成分は肌に届く。
とはいえ、コットンは安ければ200円くらいで十分な量が買える。これを機に1袋買っておくのもアリだ。コットンがあれば、化粧水を含ませて気になるニキビに数分のせる「コットンパック」もできる。ニキビに本気で悩んでいる人は、これをやってみる価値は大いにあると思う。
他のおすすめ化粧水
実は、さらに良い商品もある。ただ、近くのお店に置いているかどうかが読めないので、入手しやすさの面でおすすめ度はひとつ下がる。それでも中身はとてもいい商品だ。ゼリア新薬のアポスティーローションである。
最大の特徴は、まず医薬品(第3類医薬品)であること。化粧水タイプで医薬品というのは、実はなかなか珍しい。だからこそ効能効果がはっきり明記されていて、「とびひ、おでき等の感染皮膚面の消毒」とうたわれている。配合成分も申し分なく、しかも濃度までしっかり公開されている。
有効成分は次の4つ(100mL中)だ。
| 有効成分 | 配合量 | はたらき |
|---|---|---|
| ベンゼトニウム塩化物 | 0.01g | 殺菌・消毒 |
| グリチルリチン酸二カリウム | 0.12g | 炎症をおさえる |
| アラントイン | 0.12g | 肌あれ・組織修復 |
| トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE) | 0.1g | 血行促進・新陳代謝 |
オードムーゲ(2成分・医薬部外品)に対し、アポスティーは殺菌成分とビタミンEが加わった4成分の医薬品だ。成分のグレードはひとつ上といえる。
アポスティーローション(医薬品)/ アポスティーモイスチャーローションDX(医薬部外品)
アポスティーには実質3種類のラインナップがあるが、ここで挙げるのは2つ。緑色の医薬品タイプ「アポスティーローション」と、医薬部外品の「アポスティーモイスチャーローションDX」だ。
まずおすすめするのは、医薬品タイプのアポスティーローションのほうだ。成分が違うし、実際の使い心地も変わってくる。ここからその違いを話していく。
アポスティーローション(医薬品)は、先ほど紹介したオードムーゲと同じようにかなりさっぱりした使用感だ。化粧水というよりは医薬品なので、保湿の面はやはり心もとない感じがする。ただ、普段のスキンケアで化粧水をあまり使わない人なら、これでも十分だと感じる。香りも特に気にならない仕上がりだ。
一方、**アポスティーモイスチャーローションDX(医薬部外品)**は、成分が少し違うので注意してほしい。とはいえニキビケアに必要な成分はしっかり配合されているので安心していい。医薬品タイプとの一番の違いは、保湿力があることだ。メーカー表記としてはなかったかもしれないが、実質「しっとりタイプの化粧水」と同等と考えてもらっていいと思う。
このDXの優れているところは、なんといってもしっかり保湿できる点だ。男性ならこれくらいの保湿力でも十分に肌をうるおせると考えている。使用感もアポスティーローションと比べてしっとり感があり、男性が求める理想のしっとり感に近いと思う。だから、このDXなら追加の化粧水は不要になる。
思春期ニキビの方への提案
ここまでは大人ニキビを中心に話してきたが、皮脂の分泌が多い思春期ニキビには、特におすすめしたい1本がある。ロングセラーの薬用化粧水「美顔水」だ。
最大の特徴は、有効成分にサリチル酸を配合していること。サリチル酸には殺菌作用に加えて、古い角質をやわらげて毛穴の詰まりをケアする働きがある。だから、毛穴に皮脂や角質が詰まってできる白ニキビには、かなり改善が期待できると思っている。もうひとつの有効成分ホモスルファミンも殺菌作用をもち、皮脂が多くて毛穴が詰まりやすい思春期の肌に向いている。
使用感のさっぱり感は、オードムーゲなどと同じくらいの感覚だ。ただ独特のにおいがあるのは好みが分かれるかもしれない。
敏感肌・乾燥肌の方への提案
ここまではさっぱりタイプを中心に紹介してきたが、敏感肌の方や、乾燥が気になっている方には別の選択肢を提案したい。実は、敏感肌と乾燥肌は肌の状態が非常に近い。肌のバリア機能が弱り、刺激を受けやすくなっているという点で共通している。そういう肌には、ニキビケアと保湿を両立できる化粧水を選びたい。
イハダ 薬用うるおいローション(しっとり/とてもしっとり)
有効成分にアラントインとグリチルリチン酸ジカリウムを配合し、しっかりニキビケアをしながら、同時に乾燥対策もできるのがポイントだ。「しっとり」と「とてもしっとり」の2タイプがあるので、乾燥の度合いで選べる。乾燥肌から敏感肌になりかけている人には、特にこちらが合うと思う。
dプログラム バランス&アクネケアセットEX
こちらは、本当に敏感な肌質の方へ向けた1本だ。ニキビ対策をしながら、敏感肌向け化粧水のなかでもかなり完成度が高い。敏感肌の人も諦めずに使えるニキビケア化粧水だと思う。
今回紹介しているのは乳液とのセットだが、敏感肌体質の方にはこの乳液とのセットがおすすめだ。敏感肌には保湿が何より大事になってくるので、乳液は欠かせないだろう。
化粧水6製品の比較表
【登録販売者の現場から】ニキビのよくある勘違いと質問
ドラッグストアの売り場に立っていると、ニキビについて同じような勘違いや質問を本当によく受ける。最後に、現場でよく耳にする声に答えておきたい。ここを知っておくだけで、商品選びの遠回りはぐっと減るはずだ。
よくある勘違い
「洗顔をしっかりすれば治る」
一番多い勘違いがこれだ。売り場でも、まず私はこう伝えている。「いまできているニキビには、洗顔よりもまず薬を使ってくださいね」と。できてしまった赤ニキビは、洗顔だけでは引かない。むしろ気になって洗う回数を増やすと、皮脂を奪いすぎてかえって悪化することすらある。
洗顔がいらないという話ではない。洗顔は、新しいニキビを作らせないための予防として続けてほしい。あくまで「いまあるニキビは薬、これから先の予防は洗顔」と役割を分けて考えるといい。順番を間違えないでほしい。
「高い化粧品ほどよく効く」
値段とニキビへの効果は比例しない。化粧品(医薬部外品)に配合できる有効成分の濃度には上限があり、すでに炎症を起こしたニキビに届く量ではないからだ。何千円もする化粧水より、数百円の医薬品のほうが赤ニキビには効く——売り場ではよくあることだ。
だから売り場では、「高いものを1つ買うより、洗顔・化粧水・薬をそろえてトータルでケアするのがコツですよ」と伝えている。1点に高いお金をかけるより、それぞれ手頃なものでいいので、薬で攻めて・洗顔で予防して・化粧水で整える、という3つの役割をそろえるほうが、結果的に近道になる。
「ニキビは潰したほうが早く治る」
つい潰したくなる気持ちは、すごくよくわかる。鏡の前で気になって仕方ないですよね。それでも、潰すと一時的にスッキリした気がするだけで、雑菌が入って悪化したり、ニキビ跡(クレーター)が残る原因になる。自分で潰すのは絶対に避けてほしい。
「症状が消えたら薬はすぐやめる」
表面の赤みが引いても、毛穴の奥ではまだ炎症がくすぶっていることがある。見た目が落ち着いてからも数日は塗り続けると、ぶり返しにくい。ただし、ドルマイシン軟膏のような抗生物質は、逆にだらだら使い続けないこと。薬の種類で使い方が変わる点に注意してほしい。
そしてもう一つ、薬でニキビが落ち着いたあとに、今回紹介した洗顔と化粧水を続けてもらうと、再発をかなり防げる。「あれから出にくくなった」と喜んでもらえることが本当に多い。薬で治して終わりにせず、洗顔・化粧水での予防までつなげてほしい。
「大人ニキビも思春期ニキビも同じ薬でいい」
原因の根っこは似ているが、思春期ニキビは皮脂と毛穴の詰まりが主役、大人ニキビは乾燥や生活習慣もからむ。記事の前半で紹介したように、向いている薬が変わる。自分のニキビがどちらのタイプかを見極めて選んでほしい。
売り場では、まずざっくり年齢を聞いてタイプを確認することが多い。男性か女性かでも傾向は変わる。ただ、メンズのお客さんに共通して言えるのは、相談に来る時点ですでに赤ニキビになっているケースがほとんどだということ。男性は、赤く腫れて目立ってきた段階になって初めて気にし始める人が多い。だからこそ、男性はまず「赤ニキビに効く薬」を選べば、外すことは少ない。
よく聞かれた質問
Q. 薬はどれくらいで効きますか?
炎症止めの入った薬なら、早い方で2〜3日で赤みが落ち着いてくることが多い。ただし1週間以上塗っても変化がない、むしろ広がるという場合は、市販薬の範囲を超えているサインだ。皮膚科を受診してほしい。
Q. 薬と化粧水、どちらを先に塗ればいいですか?
基本は 洗顔 → 化粧水 → 薬 の順だ。化粧水で肌を整えてから、最後に薬を患部へ塗る。先に薬を塗ると、あとの化粧水で薬が流れてしまうからだ。
Q. 紹介された3つ、全部そろえないとダメですか?
そんなことはない。いまできている赤ニキビをなんとかしたいなら、まずは薬1本からでいい。洗顔と化粧水は「新しいニキビを作らせない」ための予防だ。予算と相談しながら、薬 → 洗顔 → 化粧水の順に足していけばいい。
いちばん効果が期待できるのは、もちろん薬・洗顔・化粧水の3つを同時に使うこと。ただ現場では、「3つそろえるのが理想ですが、まずは2つの組み合わせでもかなり改善が期待できますよ」と伝えている。たとえば薬+洗顔の2つからでも十分手応えはある。最初から全部そろえなきゃと気負わなくていい。
Q. 食べ物は関係ありますか?
脂っこいものや甘いものの食べすぎ、睡眠不足は、ニキビが出やすくなる一因とされている。だから、より早く治したいなら答えはシンプルだ。脂っこい食事を控えて、よく寝ること。これに尽きる。
体の内側からのケアも忘れずに
ここまで薬・洗顔・化粧水と「外側からのケア」を紹介してきた。だが、ニキビ対策はそれだけではない。飲んでニキビに効く医薬品もある。塗り薬で肌の表面を治しながら、ビタミンB群を中心とした医薬品で体の内側からニキビ・肌あれにアプローチすれば、攻め方は一気に二段構えになる。チョコラBBに代表される「ニキビに効くビタミン剤」については、別記事で詳しくまとめる予定だ。
まとめ
- できてしまったニキビには、洗顔・化粧水より先に医薬品を使う
- 赤くなった炎症ニキビには アクネスメディカルクリームEXaが最速の選択肢
- 「大人ニキビ治療薬」表記だが中学生から使える
- コスト重視ならペアアクネクリームWも有効
- 薬と並行して、洗顔と化粧水もニキビ肌対応のものに変える
- 洗いすぎ・擦りすぎは逆効果。優しく、正しくケアすることが先決
この記事は登録販売者の現場経験と知見をもとに作成しています。症状が改善しない場合や悪化する場合は皮膚科にご相談ください。